趣味の話。
そろそろ冬が近づいてきた。
どんどん秋が短くなってきてる気がする。
私は冷たい澄んだ空気が大好きだ。
この空気を吸うと、創作したいって気分になってくる。
子供の頃は、夜、親におやすみなさいと伝えてから、絵が描きたくてたまらなくなって、こっそり絵を描いていた。
でも、人に見せるのが嫌だったし、そもそも絵を描いてることすら知られたくなかった。
もちろん親は知ってたわけだけど、誰もドアを開けないよう祈りながら、無地のノートに妄想を描き殴っていた。
開けられたら、咄嗟にノートを両手で隠していた。今思い返せば、かわいいものだ。
絵を見られるのは百歩譲って我慢できたとしても、小説を書いているのを見られるのは、絶対に避けたいことであった。
それを親は…どうだろう。今も両親は、私にそんな趣味があることを、知らないのかもしれない。
きっと家族も、私の知らない趣味を持ってる、または持ってたんじゃないかなぁ。
どうも趣味人の家系のようなのだ。
両親も祖父母も、いまいちどこで生まれ育った人たちなのか私は知らないのだが、みんなの趣味はわかる。それもだいたい一つじゃない。
私の知らない秘密の趣味を一つ二つ持ってたって不思議じゃない。
それはそれで、なんだか素敵なことに思える。
純粋な自分のための楽しみってことだから。