ミスコンの話。
ミスコンとか、あんまり好きじゃない。
努力して手に入れた美を競うガチのミスコンなら別に良いのだけれど、学校で行われるような、ただただ外見の好みを競うようなものは嫌だ。
理由は単純明快で、疎外感があるからだ。
私自身の外見が、まあ、美人とは程遠いところにあるというのが一つ。
そして、三次元の知らない人が着飾っていたって、プラスの感情を抱かないというのが一つ。
前半の方は、ひがみもあると思う。他者にかわいいと評価された経験が、きっと圧倒的に少ない。小さいことの積み重ねが、幼い頃から積み重なって、大きな差になってる。
そのくせスポットライト大好き人間だから、他人がスポットライトを浴びて、ちやほやされてるのを見ると、良い気がしない。
そういえば、外見で虐められたことも一度や二度ではない。そんな経験を積み重ねた人間が、外見でちやほやされる人間を見て、プラスの感情を持てるだろうか。
あかん。暗い気分になってきた。
うっすらと暗くなって行く中、スポットライトを浴びて、ドレスの女性とスーツの男性が歩いてくる。スクリーンに映る二人の陰は美しく幻想的であった。
これが二次元だったら素晴らしいのに、なんて。
舞台裏を覗くと、出番を終えた後輩はスマホをいじり続けていた。
この子も割とこんな感じだよなー意外とドライだよなーと思うと、なんだか笑えてきた。
結局、耐えきれなくなって、練習部屋に戻った。練習した訳じゃないけど。先輩にメッセージ書いてた。